【完結】私、実はサレ妻でした。
「好き嫌いしてると、大きくなれないよ流斗」
と言い聞かせてはいるのだけど。
「だっておいしくないんだもんっ!」
「流斗、ママが作ってくれたんだぞ? それなのに残したら、ママ悲しくなっちゃうだろ?」
どうしようか迷っていたら、夫が流斗にそう言ってくれた。
「パパ……」
夫はやっぱり、こうやって子供たちのことを考えてくれている。
ーーーそんな人が浮気なんてするはず、ないわよね?
「え~」
「ほら、ご飯と一緒に食べれば美味しいぞ?」
夫が笑顔で流斗にそう言うと……。
「……はぁーい」
流斗は頑張って、グリンピースを食べてくれた。
「よーし!偉いぞ流斗!」
「りゅうと、えらい!」
夫は流斗を抱き上げると、流斗の頭をガシガシと撫でた。
「グリンピース、ちゃんと食べられたじゃないか流斗!」
「う、うんっ!」
こういう光景だけを見ていると、夫が浮気をしているなんてどうにも信じがたい。
浮気しているなんてのは、あり得ないとさえ思ってしまう。
こんなにも子供思いの父親なのに、私と子供たちを裏切ることなんてするのかな……。
そう思いたい気持ちが、どこかにあった。
「ほーら二人とも!早く食べちゃってよ!片付けられないでしょ?」
「お、そうだったな」
二人とも席に戻り、オムライスを再び口にする。