明日はきっと、晴れ。


3人と一緒に教室に戻ると珍しくまだみんな残っていた。


「あら、柊くんたちおかえりなさい」

そう黒い笑顔で迎えてくれたのは担任のひかりん先生。

元々どっかの暴走族の女総長をしていたらしい。
その副総長が校長だったって言ってたっけ。


先生は殺気がすごいの。

時々生徒に向けて出してるそれはかなり弱いらしいけど、
特に暴走族に入ったばかりのこの中には気絶して倒れる子もいる。

わたしは出てるのはわかるけど全然何も感じない。

……あ、今もちょっと出てる。



そんなひかりん先生はわたしにとっては母親みたいな人。

年は10個ほどしか変わらないのに、
わたしが中学生になる前からたくさんお世話してくれている。

「ごめんごめん、早く行こうとは思ってたんだけど」

満更でもない表情で律くんがわたしを抱き寄せて言うと先生は心配そうにわたしを見てくる。

「なんの話してるの?」
大丈夫だよと伝えて尋ねると先生は安心したように黒板を叩いた。


そこには「学園祭」という大きな赤い文字と、
メイド喫茶、執事喫茶、お化け屋敷、縁日などなどが書かれており、

「コスプレ喫茶店」と言う文字に丸がついていた。


この学校の学園祭は例年11月の予定。

「まだ6月だけどなんで?」
「今年は学校創立10周年だから大々的にやるって校長が気合入れててね…」

わたしが聞くと呆れたように先生はため息をつく。
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