明日はきっと、晴れ。
Cold Butterfly.
side_冷蝶
「じゃあ薬出しとくからまた来て」
「はい、ありがとうございました」
失礼します、と静かに扉を閉めて外へ出る。
「レイ、久しぶりね」
中庭のベンチで空を見上げていると女性の声が降ってきた。
白衣を着たその女性は穏やかに笑ってわたしの隣に座る。
彼女はわたし、いや麗の
「おかあ、さん………」
実の母親。
さっき病室で話していたのが実の父親。
麗はこのことを知らない。
「ごめんなさいね…」
お母さんはわたしに会うとそう言って肩を抱き寄せてくれる。
「わたしは冷蝶で、麗が自分自身を守るために作った偽りのものだから気にしなくていいのに」
そう何度皮肉を言っても
彼女は会うたびに謝ってくる。
本人に伝えてあげればいいのに。
おそらく、合わせる顔がないのだろう。
今のわたしは麗と同じ真っ黒な髪をしている。
つい最近、黒い髪のまま冷蝶としての意識を保つことができるようになった。
どうしても目だけは青い。
「じゃあ薬出しとくからまた来て」
「はい、ありがとうございました」
失礼します、と静かに扉を閉めて外へ出る。
「レイ、久しぶりね」
中庭のベンチで空を見上げていると女性の声が降ってきた。
白衣を着たその女性は穏やかに笑ってわたしの隣に座る。
彼女はわたし、いや麗の
「おかあ、さん………」
実の母親。
さっき病室で話していたのが実の父親。
麗はこのことを知らない。
「ごめんなさいね…」
お母さんはわたしに会うとそう言って肩を抱き寄せてくれる。
「わたしは冷蝶で、麗が自分自身を守るために作った偽りのものだから気にしなくていいのに」
そう何度皮肉を言っても
彼女は会うたびに謝ってくる。
本人に伝えてあげればいいのに。
おそらく、合わせる顔がないのだろう。
今のわたしは麗と同じ真っ黒な髪をしている。
つい最近、黒い髪のまま冷蝶としての意識を保つことができるようになった。
どうしても目だけは青い。