明日はきっと、晴れ。
半年ほど前から、
冷蝶でいると胸が苦しくなる時がきてた。
苦しくなることは誰にも言っていないけれど、
ここ3か月は深夜のパトロールを共にしてきたみんなに心配された。
冷蝶として、1人でパトロールしているときに
偶然繁華街で出会った麗の両親の病院に通い始めた。
最初はもちろん、驚いていた。
でも、お互いに親子だと何故か一目見てわかった。
麗の両親は麗を産んだ頃、海外で生活することが決まっていた。
それも研修医として。
2人揃って不規則な生活の中でこの子を育てることはできないと判断した彼らは
誰にも相談できずに近くの施設に預けたそうで。
ずっと金を要求されていた。
「麗ちゃんが頭から落ちて怪我をしたので治療費が必要です」
「麗ちゃんの歯の矯正をしなければならないのでそのお金が必要です」
毎年、何度かにわたって200万円近くを一括で振り込むよう要求されたと話してくれた。
あぁ、無責任なことをしてバチが当たったんだな。
そう思うしかなかったそうで。
当時の施設長が持病で入院して、
新しい施設長になったとき、
それらがぱたっとおさまった。
おかしいと思い詳しく話を聞いたところ、
今まで要求されていたお金は麗のために使われることは一銭もなくて、
前の施設長の口座に蓄えられていたことを知らされた。