明日はきっと、晴れ。


施設長が前の施設長の家族にそれを報告して、

総額約4000万円を麗の両親に返すように言うと、大人しく返してくれた。


だけど、それを知った元施設長は、
怒りに狂って退院後に発砲事件を起こした。


冷蝶はそのときにできた大切な人

__ つまりいろんな景色を見せてくれた施設長 __

を守るための人格ってわけ。



その話をすると
「麗の力になれるなら」

と彼女の両親は快くわたしを検査してくれた。


そして「冷蝶が消えかけている」という仮説に辿り着いた。


わたし自身は麗によって作られた人格だから
いつか消えるのだろうなと勝手に思っていたけれど、

麗を守るにはまだわたしが必要らしい。



わたしが活動している間は麗は眠っていて、

麗が活動している間はわたしが眠っているから

彼女がどんな状態なのかよくわからないけれど、


彼女を愛する人たちにまだ必要だと思われているなら

わたしは生きなければならない。

< 34 / 77 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop