明日はきっと、晴れ。
施設長が前の施設長の家族にそれを報告して、
総額約4000万円を麗の両親に返すように言うと、大人しく返してくれた。
だけど、それを知った元施設長は、
怒りに狂って退院後に発砲事件を起こした。
冷蝶はそのときにできた大切な人
__ つまりいろんな景色を見せてくれた施設長 __
を守るための人格ってわけ。
その話をすると
「麗の力になれるなら」
と彼女の両親は快くわたしを検査してくれた。
そして「冷蝶が消えかけている」という仮説に辿り着いた。
わたし自身は麗によって作られた人格だから
いつか消えるのだろうなと勝手に思っていたけれど、
麗を守るにはまだわたしが必要らしい。
わたしが活動している間は麗は眠っていて、
麗が活動している間はわたしが眠っているから
彼女がどんな状態なのかよくわからないけれど、
彼女を愛する人たちにまだ必要だと思われているなら
わたしは生きなければならない。