明日はきっと、晴れ。
キーンコーンカーンコーン……
お昼休みが始まるチャイムが鳴るといちばんに
「んーだっる!」
と大きく伸びながら廊下に出ていったのは、
授業中、とても気持ちよさそうに寝ていた新くん。
「あー待てよ新!」
そう言って追いかけたのは澪くん。
「やれやれ、今日も賑やかですね」
呆れ声で2人が置いて行った水筒を持ちながら
私たちも行きましょ?
とこちらを見つめるのは誠也くん。
わたしたちはいつも使われていない4階の空き教室でお昼ご飯を食べる。
みんな同じクラスで、
わたしの前後左右を囲むような座席なのだから教室で食べればいいのに…
と思いながら慌ててみんなの後を追いかける。
あ、そういえば。
わたしたちの関係についてまだ話してなかったね。
「翼(ツバサ)」という全国No.1暴走族の幹部と姫、らしい。
らしい、と言うのも、わたし自信彼らが敵と殴り合っているところを見たことがないから。
倉庫には行くし、
彼らや幹部以外の子とも関わってはいるけれど、
一度も喧嘩みたいな、暴走族らしいことをしている様子を見たことがない。
みんな何かに備えて鍛えてはいるみたいで、
時々わたしもそれに参加するけど、
拳を合わせるようなことは過保護なみんなに止められていつも見学。
1度だけ、入りたての子と拳を合わせたことがある。
隣で練習してた子の蹴りを脚に受けて、
怪我はしていなかったのに、
お姫さまなんだから筋トレくらいはしてもいいけど大人しく守られてて?
って律くんに言われて、それからは筋トレにだけ参加している。