明日はきっと、晴れ。
ん、と目を覚ますと頭が少し重く感じる。
「麗、?冷蝶、?」
律くんがわたしの髪を触りながら問う。
「ん、?ちょう、?なんの、話?」
訳がわからずに首を傾げると
律くんはわたしをそっと抱き寄せた。
『あーお前、そうしてくれると助かる』
わたしの声よりも少し低い声の誰かが言う。
というか、わたしの身体から発せられる。
「え?なんで?なに??」
1人でパニックになると誠也くんが鏡でわたしの姿を見せてくれた。
鏡に映るわたしは、黒と白が混ざった髪に、まるでカラコンをしているような、
鮮やかな青い眼をしていて………
ニヤッと突然口角を上げた。
『レイ、初対面よね?後そこの新に似てる子も。
はじめまして、冷蝶です』
冷蝶と名乗った女が優しく語りかける。
『詳しいことを言うとめんどくさいから簡単にまとめるわね。
わたしの役目は麗を守ること。
わたしが消えるときは、麗が心から笑ってくれるようになったとき。
麗はわたしがいたから翼の幹部が喧嘩してるところを見たことがない。
それで今麗と一緒に出てきてる理由は、
わたしの寿命が来てるから。
何かあったときに麗がいきなり混乱しないようにね。
それから……』
「まっ、まって!
わたし、今混乱しか、してないよ?」
冷蝶という女が
自分のことについて話し始めて、
ただでさえ混乱しているわたしの頭の中はさらに複雑化していて、
もうパニックという単語しか使えない。
そんな様子にふふっ、と耳元で笑われて、その笑った本人の顔を見ると
「んーん、麗が1人で喋ってんの、面白い」
律くんはそう言ってさりげなく
ぎゅっと抱きしめる腕の力を強くした。