明日はきっと、晴れ。
そして。
あっという間に、9月になってしまった。
一くんによると、黎明が襲ってくる月。
未だに驚いてしまう冷蝶の存在に、
1人不安になりながらも共存している。
彼女を受け入れられるようにはなってきた。
多分だけど。
『何ようるさいわね』
ほら、冷蝶が朝からぐちぐちわたしに文句をつけてきた。
嫌いなら大人しくしてればいいのに、わかんない。
『麗が好きなんだから仕方ないじゃないの』
あ、照れてるみたい。かわいい。
今日から2学期が始まる。
1ヶ月ぶりに纏った制服のりぼんを整えて
校長の運転する車に乗り込む。
歩いても余裕で行ける距離だけど、
過保護な校長は黎明の攻撃が心配だからと
送ってくれることになった。
『流石にそんなに束縛してると嫌われるんじゃないの?
麗はもちろん、ひかりさんにも』
助手席でシートベルトをしめて、
校長がエンジンをかけるのを待っていると
冷蝶が勝手に口を開く。
「ええ!麗に嫌われるか…?
というかひかりは関係ないだろう!」
『ひかりさんと付き合ってるのかと思ってたけど』
「ひかりはどうでもいいんだ
ただ麗に嫌われるのだけは勘弁だ…………」
「もう嫌わないから安心して〜!!」
アクセルを優しく踏んで動き出した車の中にそんな会話が広がる。