明日はきっと、晴れ。


部屋から出るとそこは血の海だった。

初めて見る景色に足がすくんだ。

『大丈夫、彼らも、わたしも

そしてあなたも…

強いから』

冷蝶が微笑んだ気がした。


そうだ、信じよう。
信じたいから、みんなを信じよう。



まずは状況を把握しなきゃ。

ここからわかるだけでも立っているのは
翼の幹部と、黎明の幹部、そして噂の咲良さんと、
1番会いたくない元施設長に、それからわたし。

黎明側は全員何かしらの武器を持っていて、咲良さんと元施設長は手に銃を持っている。


「麗を出せっつってんだろ!」

パンッ
元施設長が声を荒げて天井に向かって威嚇発射する。


『麗、行くぞ』

その言葉に蝶の刺青が疼く。


自分が自分ではなくなる気がして、
思わず意識を飛ばしたくなるけれど
これはわたしが引き起こした問題だ。



「これが最期の戦いよ」

冷蝶をみんなを解放するためにも、
わたしが乗り越えなければ意味がない。



もうひとつ深呼吸をして

一歩一歩、彼らの元へ近づいた。
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