明日はきっと、晴れ。
わたしたちの学校はいわゆる不良と呼ばれる暴走族に属する人たちが集まる。
世間一般的には不良と呼ばれるけど、
みんな本当に優しくていい人たち。
掃除好きな校長がいるおかげで
窓ガラスはひとつも割れてないし校内だって綺麗。
2年の教室は3階にあって、1年生は2階、3年生は1階にある。
4階は特別室ばっかりで、全部空き教室。
そのうちの1番広い部屋を使っている。
「いっただきまーす!」
1人がけのソファーにドサっと座った新くんが
さっきまでの眠い声とは打って変わって元気な声でそう言ってお弁当箱から唐揚げを1つ頬張った。
普通の教室の1.5倍ほどの広さのその部屋は校長がわたしのために用意してくれた。
この学校に入ったばかりで、まだ律くんと仲良くなる前の、1人だった頃。
あれから1年ほどしか経っていないのに
校長が用意してくれた2人がけソファーと小さなローテーブル以外何も置かれておらず殺風景だったこの教室にも机やソファー、棚などが増えた。
いつの間にか定位置が決まっていて、
最初からある2人がけのソファーにはわたしと律くんが、
ローテーブルを挟んだ向かい側に置かれた2人がけのソファーには澪くんと誠也くんが並び、
いわゆるお誕生日席のように置かれた1人がけのソファーには新くんが座る。
「「「「いただきます」」」」
わたしたちもその定位置に座って揃って手を合わせる。
不良のくせに、みんな家族の作った弁当を食べる。