明日はきっと、晴れ。
次に辿り着いたのは、懐かしい建物。
「ここ、わたしが育った施設…」
『わたしが生まれた場所だな…』
冷蝶と声が重なる。
「レイ…!」
玄関口から男性の声がする。
「施設長…!」
彼に飛びつくとあの頃と変わらない笑顔で抱きしめてくれた。
「あの頃、お前のせいだ、なんて言ってごめんな…
この言葉でひどく苦しめて、ごめんな…」
施設長は顔をぐちゃぐちゃにして謝ってきた。
後ろから顔を覗かせるのはここで暮らしているであろう子たち。
熱い視線に気づいたのか彼はその子たちを見て微笑んだ。
「ここは麗の帰ってくる場所だから、
遅くなったけどいつでも遊びにおいで」
待ってるから、そう言ってわたしの背中を押す。
施設長、初めてわたしに世界を見せてくれた人。
恨んでるなんてありえない。
ありがとう、ございました。
満足に感謝も伝えられないまま消えてごめんなさい。