明日はきっと、晴れ。
「よし、行くか!」
澪くんが先陣を切って歩き出す。
辿り着いたのは翼の倉庫。
「麗さん!俺ら待ってますから!」
メンバー勢揃いで出迎えてくれる。
「ありがとう、みんな。
本当に、ありがとう」
そう言うと、聞き慣れない声が聞こえる。
「あなたにまだお礼を言えていない」
その横に視線をずらすと黎明の幹部たち。
そんな彼らの声をかき消すかのように、
「バイク一緒にいじりましょうね!」
「麗ちゃん、また一緒にトランプしようね?」
「お菓子パーティーの用意はできてますから!」
「手持ち花火も!」
夏の合宿で約束したことをみんなが口々に話し出す。
「約束は守るよ、だから………」
だから…?
わたし今、何を言おうとした?
今更待っててとでも言うの?
ここから、出る方法が分からないのに……
「みんなで麗さんの帰りを待ってます!」
朱里くんが胸を張って、そう言ってくれた。
「みんな、麗の味方だから行こう?」
ずっとわたしの隣で手を握ってくれていた律くんが頭を撫でながら言ってくれる。
「みんな……ありがとう……
約束は守るから、だからもう少し待っててほしい、な?」
首を傾げるとみんな心なしか顔が赤くなった。
「熱…?」
そう聞くと隣では頭を抱えて呆れた律くんが苦笑いでわたしに耳打ちする。
「鈍感」
言い返そうとしたけれど、律くんに強く手を引かれて、気がつけば学校に立っていた。