明日はきっと、晴れ。


「ん〜うまっ!」

肉詰めピーマンを頬張りながら少年のように笑うのは新くん。
このピーマンは新くんのおじいちゃんの畑で作られたものらしい。


去年の夏休みに翼の夏合宿で新くんのおじいちゃんの畑で野菜の収穫をお手伝いしたから覚えてる。

新くんのおじいちゃんは豊富な種類の美味しいお野菜を作ってるの。

あたたかい笑顔でわたしたちを出迎えてくれて、太陽のような、優しい方だったなぁ。


不良のくせに、というのは良くないのかもしれないけれど、
暴走族というものを漫画や小説でしか知らないから

どうしても家族と仲が悪かったり、
家庭環境に問題があったり、
学校があれているような、
そういうものを思い浮かべてしまう。

喧嘩してるところすら見たことないけど、
毎日学校に来てるわけじゃないからそういう点では不良だな、なんて思うときはある。


「麗も食べな?」

新くんはそう言って肉詰めピーマンを1つ弁当箱に入れてくれた。

「ありがとう」
お礼を言ってそれを一口噛むとピーマンの苦みが口いっぱいに広がった。

後から追いかけるようにふわふわなお肉のうまみが広がる。

新くんのおばあちゃん秘伝のタレがおじいちゃんのピーマンのおいしさをより引き立てる。

「んんっ!おいしい!」

その言葉に笑顔で良かった、と返した新くんは箸を置いて深刻そうな表情で切り出した。
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