明日はきっと、晴れ。


10月になっても目を覚さずに、
とうとう11月になってしまった。


学校も倉庫も時が止まったように、
誰も彼もが生きる希望をなくしていた。


麗が病院に運ばれてから、
俺たちは毎日病室に通い続けた。


一向に目を覚まさない麗は
一体どんな夢を見てる?




今月は大抗争もあるが、
あまりにも覇気がないもんだから
周りの族のトップが気を遣って中止になった。



族のくせに、なんだかんだみんないい奴らだよな。

族の弱みである姫が弱っていて、
幹部もメンバーもみんな隙だらけなのに、

大抗争前の幹部の集まりで笑われたよ。



「お前らのとこのお姫さまがいないとどうも力が入らねえやつがいるんだ。

それに今勝ったって嬉しくねえ。
ただの卑怯者じゃないか。

今年は中止が妥当だろう」



中には去年の大抗争で少ししか会ってない人もいるはずなのに、

誰もがその言葉に頷いて満場一致で、中止になった。



麗はこんなにも愛されてるんだな。
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