ノート

という内容だったので、俺は首をかしげた。
それより、酷く頭が痛い。限界かもしれない。
 腕の絆創膏をびりりと剥がすとまだかさぶたが見えた。
人と話しているどころじゃなかった体調が、今度は食べるのもままならなくなっていた。

きっと、このまま死んで行くんだろうな。
俺は前向きに捉えて、身辺整理を始めた。
と言っても、友人たちを忘れるためのもので、俺の痕跡や、まだ生活で使うものなどは手をつけない。
まず、アドレス帳を最低限の人数まで消す。
もらった手紙や、誰かのラブレターは箱に詰めてこれは捨てられなくて、結局少し泣きたくなった。
 本棚の隙間から卒業式でもらった寄せ書きを見つけた。あたたかい言葉が沢山あった。
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