旦那様の裏の顔

ある日から、蕾の靴箱にゴミが大量に入れられるようになった。クラスメートからは無視され、クスクスと笑われ、机や椅子を窓から捨てられ、教科書やジャージを汚されたりボロボロにされたり、いじめはどんどんエスカレートしていった。

家族に心配をかけたくないと、蕾は黙って耐えていた。その間にも、いじめはどんどんひどくなっていく。

「お前、今から万引きして来いよ！そこのコンビニであたしらの言ったもん、全部盗って来いよ。どうせ金ないんだろ？」

クラスのリーダー格の女子グループに囲まれ、蕾は命令される。言われたものを毎日のように買わされていたのだが、もう蕾の財布にはお金はほとんどない。それをわかっているため、女子たちはニヤつきながら言うのだ。

「大丈夫だって〜！そこのコンビニの店員、おっさんじゃん。女子だったら「すみませ〜ん」って泣きつけば許してもらえんだろ」

「で、でも万引きなんて……」

決して許されない犯罪だ。蕾が体を震わせると、「言うこと聞けないのかよ！お前はあたしらの奴隷だろうが！」と胸ぐらを掴まれ、壁に思い切り叩き付けられる。