夕暮れ、人の消えたこの街で。
意外なことに、公園はまだ存在していた。
元々古い公園だったが、今も昔と変わりのない様子で、俺をやさしく招いているようだった。
よく思い出すと、そのトラウマというのも、もしかしたら夢の中の出来事だったように思えてきた。
「そうだ、きっとそうだ。あれは夢の中の出来事だったんだ。」
そう考えると、夢の中の出来事に過度に怖がる自分が、愚かに思えてきた。
確かあれは、中三の、夏の終わりかけ、友達とあの公園に来ていたときのことだっけ。