夕暮れ、人の消えたこの街で。


意外なことに、公園はまだ存在していた。

元々古い公園だったが、今も昔と変わりのない様子で、俺をやさしく招いているようだった。

よく思い出すと、そのトラウマというのも、もしかしたら夢の中の出来事だったように思えてきた。

「そうだ、きっとそうだ。あれは夢の中の出来事だったんだ。」

そう考えると、夢の中の出来事に過度に怖がる自分が、愚かに思えてきた。

確かあれは、中三の、夏の終わりかけ、友達とあの公園に来ていたときのことだっけ。
< 3 / 8 >

この作品をシェア

pagetop