ストロベリーバニラのキス ひねくれた純愛(おまけの小話・その2)

俺は近くの駐車場に車を入れて、
9時50分に、
博物館の正面玄関に立った。

10時開館なので、
見学らしい、中高生のガキが
ぐちゃぐちゃいる。

引率の教師が
大声で怒鳴っているのを、横目に見て教授を捜した。

いない・・・

正面玄関が開かれ、
入場者が、どんどん吸い込まれていく。

この場所を指定したのは、
教授だ。
間違うはずはない。

俺は大きな柱の陰に
隠れているのではないかと、
階段を駆け上がった。

一番下の階段の隅に、
女の子が座っている。

黒髪のツインテールに
白いリボンが揺れ、
ブルーの水玉模様のワンピース。

膝には造花のいっぱいついた
籐のバックを持ち、頬づえを
ついていた。

あれは、女の子・・・
ではない!!!!
< 11 / 31 >

この作品をシェア

pagetop