ストロベリーバニラのキス ひねくれた純愛(おまけの小話・その2)
「私は君の好みのタイプではない・・・ということだ。
それに性感染症の検査を
受けるように、言ったり、
普通なら嫌がるはずだろう。」
教授は少し言いにくそうに
「その・・
君は仕事を辞めたのだから
無理してまで、
私に合わせることはないと
言いたいのだ」
そう言って、
教授は、タブレットをバックに
しまった。
「君の好みの女性は・・・
亡くなった母親に似た人だろう?」
俺の背筋に、冷たい物が走った。
「父親はアイルランド系移民、
母親はフランス人で、貴族の血を引く人だったな」
教授は淡々と分析するように、
言葉を続けた。
「君の母は、君を産んで、
しばらくして亡くなった。
君には母親の記憶がないだろう。
君を育てたのは、
父親が再婚した2番目の女性だ」
身辺調査は完璧なのだろう。
俺はたばこを取り出して、
火をつけた。
ここは禁煙区間なのかどうか、
わからないが・・・