ストロベリーバニラのキス ひねくれた純愛（おまけの小話・その２）

「これから、一人で生きていく・・・しかないと思う」

胸には、
俺の女情報の入っているバックを抱きしめている。

俺は大きく息を吐いて、
自分の額を子ウサギに頭につけた。

「俺はあきらめませんからね。
あなたの事が好きですと
言いましたし」

教授の肩が震えていた。
うつむいて、
ポタポタと、足元の石畳に涙が
落ちた。

「だって、だって・・
今まで、誰からも好きって
言われたことないし・・・

毎日、愛しているって、
言われても、どうしたらいいか
わからない・・・」

ようやっと絞り出すように、
声を震わせた。

「・・・不安なんだ。
君の声が、聞けなかったらと
思うと・・・
不安がこみあげてくる」

教授は体をかがめるように、
声を殺して言った。

「君に何らかの感情を
抱きそうになってきている、
それもコントロールできない
感情だ」

不安・・・

俺はその言葉を反芻(はんすう)した。

教授は不安と表現したが、
一般的には
恋愛という感情なのだろう。

俺はそっと両手を、教授の肩に置いた。