一縷
ドリンクの話は今はいい。ハイボールを飲んで、わたしは居酒屋を出た……? 出てない……? いや、出たから今ここにいるんじゃない……?
ぐるぐると考えながら見たこともない柔らかい枕を見つめていた。
寒い。部屋の中とはいえ、まだ冬は終わっておらず、毛布から出たら寒い。
そんなことを思いながら肩に、手をやると、素肌。え、と自分の姿を見下げる。
何で、下着。
そして、先程から視界から追い出していた隣の人物へと視線を向けた。
綺麗な寝顔。でも、誰か分からない。本当に、全く。
そんなに酔って……いたな。給料日だから浮かれていた。