10year
椎野麻衣様
突然、こんな手紙を書いてゴメン。
これを椎野が読むのは、卒業する時だろうか?それとも、それよりも遥か後だろうか。
今日、俺は教師を辞めます。
こんな中途半端な時期に辞めるのは自分でも許せないけど、こればっかりは仕方が無い。
椎野と出会ったのは1年前だったな。
まだ、中学生の面影を残した椎野を見て、俺は不覚にも一目惚れをした。
椎野には迷惑な話だと思う。
こんな年上のオヤジを相手になんて出来ないだろうし、オヤジの戯言だと思ってもらっても構わない。
どうせ、この想いを伝えることが出来ないなら、いつ読んでもらえるか分からない手紙にしようを思った。
椎野は覚えているだろうか?
俺が、職員室で君に問いかけたことを。
『椎野は俺のこと嫌いか?』
あの頃の君は俺を避けてるように思えたんだ。
手を伸ばせば届く距離なのに、伸ばせられないもどかしさ。
だから、つい、聞いてはいけないことを聞いてしまった。ごめん。
いつの日か、大人になった椎野に会えればと思う。
それでは、お元気で。
1995年5月18日 片瀬健治
突然、こんな手紙を書いてゴメン。
これを椎野が読むのは、卒業する時だろうか?それとも、それよりも遥か後だろうか。
今日、俺は教師を辞めます。
こんな中途半端な時期に辞めるのは自分でも許せないけど、こればっかりは仕方が無い。
椎野と出会ったのは1年前だったな。
まだ、中学生の面影を残した椎野を見て、俺は不覚にも一目惚れをした。
椎野には迷惑な話だと思う。
こんな年上のオヤジを相手になんて出来ないだろうし、オヤジの戯言だと思ってもらっても構わない。
どうせ、この想いを伝えることが出来ないなら、いつ読んでもらえるか分からない手紙にしようを思った。
椎野は覚えているだろうか?
俺が、職員室で君に問いかけたことを。
『椎野は俺のこと嫌いか?』
あの頃の君は俺を避けてるように思えたんだ。
手を伸ばせば届く距離なのに、伸ばせられないもどかしさ。
だから、つい、聞いてはいけないことを聞いてしまった。ごめん。
いつの日か、大人になった椎野に会えればと思う。
それでは、お元気で。
1995年5月18日 片瀬健治