跡継ぎを宿すため、俺様御曹司と政略夫婦になりました~年上旦那様のとろけるほど甘い溺愛~
「千秋ったら、一晩に一回じゃ満足しないでしょ? 最低でも二回はしたがるし。もう、男と女の体力の差を考えろって感じ」
「き、岸本さん?」
一体なにを言い出すのかと少々尖った声になってしまったが、私の呼びかけは無視された。
「どれだけしつこいのよって……まあ、結局は許しちゃうんだけど」
急に乱雑な口調で話し出した岸本さんを凝視する。
フフフと蠱惑的に笑った彼女は、直後に嘲りに満ちた視線を私に向けた。
決定的な言葉はなくとも、彼女の言わんとしている内容ぐらいわかる。彼女と千秋さんとの間には、男女の関係があったと仄めかされているのだ。いや、断言したのも同然の発言だ。
胸がどくどくと嫌な音を立てて早鐘を打ち出す。それを彼女に悟られたくなくて、隠すように胸元に手を添えた私を、岸本さんは変わらず正面から見据えてくる。
「まあ、愛佳さんは初心そうだし、さすがに千秋もそんな子を相手に本気で求めないでしょうけど」
赤い口紅を塗った唇から、再びくすりと笑いが漏れた。
岸本さんが千秋さんと関係していたと考えると、胸がしめつけられる。さらに、私には岸本さんにするほど求めてくれなかったという事実に打ちのめされて、反論する言葉が出てこない。
指摘されたように、千秋さんが私とそういう行為をするときは一晩に一回だけだ。それ以上求めてきた夜は、一度だってない。しかも忙しくなり出してからは徐々に回数は減り、最近は週末ですら抱かれていない。最後に肌を重ねた日を思い出せないほどだ。
押し寄せてくる不安に呑み込まれないように、ぐっと唇を噛みしめた。
「き、岸本さん?」
一体なにを言い出すのかと少々尖った声になってしまったが、私の呼びかけは無視された。
「どれだけしつこいのよって……まあ、結局は許しちゃうんだけど」
急に乱雑な口調で話し出した岸本さんを凝視する。
フフフと蠱惑的に笑った彼女は、直後に嘲りに満ちた視線を私に向けた。
決定的な言葉はなくとも、彼女の言わんとしている内容ぐらいわかる。彼女と千秋さんとの間には、男女の関係があったと仄めかされているのだ。いや、断言したのも同然の発言だ。
胸がどくどくと嫌な音を立てて早鐘を打ち出す。それを彼女に悟られたくなくて、隠すように胸元に手を添えた私を、岸本さんは変わらず正面から見据えてくる。
「まあ、愛佳さんは初心そうだし、さすがに千秋もそんな子を相手に本気で求めないでしょうけど」
赤い口紅を塗った唇から、再びくすりと笑いが漏れた。
岸本さんが千秋さんと関係していたと考えると、胸がしめつけられる。さらに、私には岸本さんにするほど求めてくれなかったという事実に打ちのめされて、反論する言葉が出てこない。
指摘されたように、千秋さんが私とそういう行為をするときは一晩に一回だけだ。それ以上求めてきた夜は、一度だってない。しかも忙しくなり出してからは徐々に回数は減り、最近は週末ですら抱かれていない。最後に肌を重ねた日を思い出せないほどだ。
押し寄せてくる不安に呑み込まれないように、ぐっと唇を噛みしめた。