跡継ぎを宿すため、俺様御曹司と政略夫婦になりました~年上旦那様のとろけるほど甘い溺愛~
「資料として添付した写真をご覧ください。これは海外の建築物の内装ですが、参考になると思います。日本ではその使用が廃れてしまったタイルですが、ここのところその良さが見直され、かつてとは違った形で使われるようになってきました。」

最初に載せられていたのは、手洗い場を写したものだ。正面の鏡の下には、一部分だけカラフルなタイルが貼られている。そこは水が飛びやすい部分で、湿気に強い点を重視して使用されているのだろう。

その下のキッチンの写真に目を向ける。コンロの周りだけでなく、キッチンの壁一面がタイル張りになっている。油跳ねなど汚れが気になるスペースなだけに、壁紙でなくタイルを使用するのは合理的だ。しかも三色のタイルを使ってモザイクがかったように見せているものも、デザイン性が高くて素敵だ。

最後のものは、どこかのレストランの内装だろうか? 壁は一面オフホワイトなのに、中央にかまえる存在感のる大きな丸い柱は、白と茶系の数種類のタイルで全面を飾られている。おそらく、入店すれば真っ先にこの柱に目を向ける人は多いだろう。店の象徴となり、雰囲気づくりにひと役買ってそうだ。

タイルには古いイメージしかなかっただけに、そのオシャレな使い方に正直驚いた。

「タイルは耐久性が高く、水に強くてかびにくい。汚れがついても落としやすいのも特徴です。しかし、目地の部分だけはかびやすくて扱いづらいため、これまでは手の出しにくい素材でした。それが昨今では目地材に抗菌・防汚加工する技術がうまれ、デザイン性に優れたタイルも増えているので、その良さが見直されつつあります」

志藤さんが、タブレットでさらに様々な使用例を提示してくれた。

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