強面カイくんの、行き過ぎる溺愛
「もう!ダメだよカイくん」
「何が?」
「相手は学生さんだよ?」
「そうだね。
でも、喧嘩を売られたら相手するよ。
相手がどんな奴でも」

コンビニの帰り、ゆっくり歩きながら言う結理。
結理を見下ろし言う快李は、雰囲気が黒い。

この時ばかりは、快李の妻でいることに不安を感じる。
結理は無言で、快李に抱きついた。

「ん?ユウちゃん?」

「あんまり……喧嘩、しないで?」
快李を見上げ、言った結理。

「……/////その顔、反則…////」
「お好み焼きの時も、相手の人…とっても怖かった。カイくんは強いけど、万が一ってことがあるから………気をつけて。
私、カイくんがいなくなったら……」

結理は快李の胸に顔を埋めた。

「……/////」

(可愛すぎだろ?これ!
ヤバい、今すぐに抱きたい!!)

結理は快李のことを心底心配しているのに、当の快李は結理の可愛さに興奮していた。

「カイくん?」
「可愛い…」
「え?」
「あ、ううん。
大丈夫だよ!相手が誰であっても、負けないから」

「そんなのわからないよ!
だってお好み焼きの人、その……ヤクザさんみたいだったし……銃とか持ってたら……」
「あーそうだね。気を付けるよ。
でも………大丈夫だよ!
僕は、ユウを置いて死んだりしない」


「なんか、花びらみたい」
屋敷に帰り、入浴中の二人。
バスタブに快李に後ろから抱き締められ、自身の胸元にあるキスマークを見て言った結理。

「フフ…そうだね。綺麗~」
快李が後ろから、キスマークをなぞる。
「んんっ…」
「フ…もしかして、感じてる?」
「ん…違っ…////」
結理は手で口元を押さえる。

「可愛い…ユウちゃん。可愛すぎ…////」
クスクス笑いながら言った、快李。

突然結理が、クルッと振り返った。
「ユウちゃ━━━━」
そして、快李の口唇に奪うように重ねた。

快李は目を見開き、でもすぐに嬉しそうに目を瞑った。


それからベッドに横になり、抱き締め合っている。
「━━━━━嬉しかったなぁ」
結理の頭の上から、快李の嬉しそうな声が降ってきた。

「え?」
「ユウちゃんが、あんなキスしてくれるなんて!」
「だって、悔しかったんだもん!」
「フフ…」
「でも、カイくんがするみたいに上手く出来ない」
「そう?僕的には、そうゆうユウちゃんが可愛いよ?」
ニコニコして頭を撫でる快李。

その表情は、とても幸せそうだった。
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