強面カイくんの、行き過ぎる溺愛
「やだ、今になって痛くなってきた」
右手があまり動かない。
「病院行った方がいいかな?」
すぐに冷やさなかったから、今になってヒリヒリと痛みが酷くなってきていた。
よく見ると水泡ができている。
「病院……行かなきゃ!」
とりあえず傷をガーゼで包み、病院に行った結理。
「このくらいなら、傷は残らないと思いますよ。でも気をつけてくださいね!肌は大事でしょ?特に女性は」
「はい。ありがとうございました!」
病院を出て、スマホの電源を入れると突然着信が鳴り響いた。
「はい。あ、カイくん?」
『ユウ!?良かったぁ……繋がって!どこいるんだよ!家帰ったらいないし、キッチンはぐちゃぐちゃだし…』
「あ、ちょっと急いでて……すぐ帰るから」
『迎えに行く!どこ?場所は?』
「大丈夫!すぐだから」
そう言って一方的に切った。
結理が家に帰りつき玄関を開けると、
「ユウ!!」
と快李が抱きついてきた。
「どこ行ってたんだよ!心配すんだろ!?」
「ごめんね…ちょっと病院に…」
「病院!?なんで?体調悪いの?大丈夫?なんでもっと早く言わねぇんだよ!!?いつも言ってんじゃん!いつでも電話してって!!」
「うん。ちょっと火傷しちゃったの」
「火傷!?どこ!!?」
「右手の手首だよ」
そう言って結理は、包帯を見せた。
快李の顔が苦痛に歪む。
結理の手首を、ゆっくり優しく擦る。
「大丈夫…?痛かったよね…手、動く?」
「少し痛いから、今日はもう動かすの無理かな?」
「そっか…じゃあ、後は僕がお世話するね!」
「うん、ありがとう」
頭を撫でる快李に、結理も微笑んだ。
快李がキッチンを片付けながら結理に問いかけた。
「もしかして、チョコ作ってて火傷したの?」
「あ、うん。ボーッとしてたの。バカでしょ(笑)?」
「ごめんね…僕のせいだよね…」
快李の瞳が切なく揺れる。
「え?なんで?カイくんのせいなの?」
「だって僕が楽しみにしてるなんて言ったから」
「それは違うよ!ほんとボーッとしたからだから。それにチョコあるよ」
「え?」
「はい」
と送られてきた、女性社員達のチョコを渡した結理。
結理は、自分でもびっくりだった。
こんなに何の感情もなく渡せるなんて………
さっきまであんなに身体が震えて、涙まで出てたのに。
「ありがとう!
……ってこれ、女性社員って………」
「昼間に送られてきたの。きっとカイくんが受け取らないからじゃないかな?」
「………」
「カイくん?開けないの?」
快李はそのままゴミ箱の前に行き、ガンッ!!とゴミ箱に箱を捨てたのだった。
右手があまり動かない。
「病院行った方がいいかな?」
すぐに冷やさなかったから、今になってヒリヒリと痛みが酷くなってきていた。
よく見ると水泡ができている。
「病院……行かなきゃ!」
とりあえず傷をガーゼで包み、病院に行った結理。
「このくらいなら、傷は残らないと思いますよ。でも気をつけてくださいね!肌は大事でしょ?特に女性は」
「はい。ありがとうございました!」
病院を出て、スマホの電源を入れると突然着信が鳴り響いた。
「はい。あ、カイくん?」
『ユウ!?良かったぁ……繋がって!どこいるんだよ!家帰ったらいないし、キッチンはぐちゃぐちゃだし…』
「あ、ちょっと急いでて……すぐ帰るから」
『迎えに行く!どこ?場所は?』
「大丈夫!すぐだから」
そう言って一方的に切った。
結理が家に帰りつき玄関を開けると、
「ユウ!!」
と快李が抱きついてきた。
「どこ行ってたんだよ!心配すんだろ!?」
「ごめんね…ちょっと病院に…」
「病院!?なんで?体調悪いの?大丈夫?なんでもっと早く言わねぇんだよ!!?いつも言ってんじゃん!いつでも電話してって!!」
「うん。ちょっと火傷しちゃったの」
「火傷!?どこ!!?」
「右手の手首だよ」
そう言って結理は、包帯を見せた。
快李の顔が苦痛に歪む。
結理の手首を、ゆっくり優しく擦る。
「大丈夫…?痛かったよね…手、動く?」
「少し痛いから、今日はもう動かすの無理かな?」
「そっか…じゃあ、後は僕がお世話するね!」
「うん、ありがとう」
頭を撫でる快李に、結理も微笑んだ。
快李がキッチンを片付けながら結理に問いかけた。
「もしかして、チョコ作ってて火傷したの?」
「あ、うん。ボーッとしてたの。バカでしょ(笑)?」
「ごめんね…僕のせいだよね…」
快李の瞳が切なく揺れる。
「え?なんで?カイくんのせいなの?」
「だって僕が楽しみにしてるなんて言ったから」
「それは違うよ!ほんとボーッとしたからだから。それにチョコあるよ」
「え?」
「はい」
と送られてきた、女性社員達のチョコを渡した結理。
結理は、自分でもびっくりだった。
こんなに何の感情もなく渡せるなんて………
さっきまであんなに身体が震えて、涙まで出てたのに。
「ありがとう!
……ってこれ、女性社員って………」
「昼間に送られてきたの。きっとカイくんが受け取らないからじゃないかな?」
「………」
「カイくん?開けないの?」
快李はそのままゴミ箱の前に行き、ガンッ!!とゴミ箱に箱を捨てたのだった。