強面カイくんの、行き過ぎる溺愛
「はい!ユウちゃん、あーん!」
「あーん!」

結理の右手首が火傷しているので、快李が結理に夕食を食べさせていた。

「ユウちゃん、可愛い~!小鳥みたいだ!」
「フフ…私、餌付けされてるの(笑)?」
「まぁ、そんな感じかな?」
「………」

「ユウちゃん?」
落ち込んだように俯いた結理の顔を覗き込む快李。

「ごめんね……」
「どうして、謝るの?」
「本当は今日ね。カイくんに手作りチョコを渡して、素敵なバレンタインになるはずだったの。
明日は土曜日だし、カイくんお休みだから。
今日は私が、カイくんに愛情を伝えるつもりだったの」

「へぇー、どんな?」
快李の目の色が変わった。

「え?」
「どんな愛情をくれるの?」
箸をテーブルに置いた快李。
結理に向き直る。

「え?どんなって……
気持ちを、伝えて…」
「うん。気持ち、聞かせて?」
「カイくん」
「ん?」
「だ…」
「だ?」
「大好き…です…/////」
俯き、呟くように言った結理。

(可愛い…ヤバい……この顔と声だけで、理性が抑えらんねぇ……)
「うん、ありがと!」
しかし快李は、冷静を装おう。

「……////」
結理は顔が真っ赤だ。
「他には?」
「え////?」
「他には、ないの?
それだけ?」

「あ、後は……寝る時に…////」

「今、欲しいな」
「え?」

「今、ユウちゃんの愛情が欲しい━━━━━」


ベッドルームに移動した二人。
ベッドに座っている快李の足の間に挟まれている、結理。
快李の服を脱がそうとしていた。

しかし右手首は火傷していて、更に緊張で震えている為上手く出来ない。
「ユウちゃん」
「は、はい!」
「自分で脱ぐよ。
というより、今日はやめよ?ユウちゃん、手を怪我してるし。火傷が良くなったら、僕のこといっぱい愛して愛情ちょうだい!」

「でも、カイくんが愛情ちょうだいって」
「うん。つい、興奮して言っちゃった…!ごめんね!ユウちゃんが、あまりにも可愛くて……」
快李は、結理の顔を覗き込み頭を撫で言った。

「私…」
「ん?」
「カイくんが大好き!!」
「うん、僕も大好き!」

「カイくんは、私の何処がいいの?」

「え?何処って…ぜーんぶ!」
「嘘だ!!」
「ほんとだよ!」
「私、バカだし…」
「ユウちゃんは、天然なんだよ」
「可愛くないし」
「え?ユウちゃんは可愛いよ!白雪姫だよ?
ユウちゃんが魅力に気づいてないだけ」

「最近、怖いの……」
「ユウちゃ━━━━━」

結理はそのまま、快李を押し倒した。
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