桜が咲く頃に、私は
あれから三時間経った19時過ぎ。


まだ翠達からの連絡はなく、三人で晩御飯。


「お姉ちゃん? どうしたのさっきからスマホを気にして」


様子がおかしい私にすぐに気付くのは、さすが夢ちゃんというところか。


「え、いや……別に何もないよ」


食事中にスマホを気にしていること自体が行儀が悪いと思って、慌ててポケットに戻した。


「お前、すぐに顔に出るんだよ。腹立ててるのはわかるけど、少しは落ち着けよ」


「……何よ、お兄ちゃんも知ってることなの? 私だけ知らずに仲間はずれにするつもり!?」


空がおかしな言い方するから、夢ちゃんも気にし出したじゃない。


巻き込みたくないから誤魔化そうとしたのに。


でも、黙っていると、情報が入って家を飛び出した時に夢ちゃんも付いてきそうだからな。


正直に言った方が良いか。


「ほら、昨日話したでしょ? 広瀬がさ、車にはねられちゃって。今入院してるんだけどさ」


「え!? そうなの!? それは元彼とは言え、気になっても仕方ないね。でも、そんなに酷いの?」


「まあ、腕と足を骨折してるけど、命に別条はないよ。でも、そっちじゃなくてね。広瀬をこんな目に遭わせたやつを探してるんだ。友達がね」
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