桜が咲く頃に、私は
「えっ!?」


「えっ!?」


空の言葉に、私と夢ちゃんの声が同時に発せられた。


そんな私を見て、空も思わず「えっ!?」と驚いた表情。


「いやいや、お姉ちゃんも驚いてるじゃない。何勝手に話を作ってんのよ!」


確かに家に着くまで考えるって言ったけど、まさかもう付き合ってることになってるなんて。


返事、聞いてないよね?


「えっと、違うのか? 俺と早春の関係だから、てっきり……」


「もう、ハッキリしないんだから! お姉ちゃん、お兄ちゃんの彼女になったの? なってないの? どうなの?」


広瀬との関係が終わっているのは夢ちゃんも知っている。


今日振られたわけじゃない。


一ヶ月前には私達は終わっていて、今日、私の心にケリが付いたんだ。


家に泊めてもらっているからとか、死の運命を共にしているとかを抜きにして考えるとどうだろう。


なんて、今考えなくても答えは出ていたよね。


どんな私でも好きだと言ってくれた空なら。


「うん。改めてよろしくね」


そう言った直後、夢ちゃんの顔がぱあっと明るくなって、私に飛び付いたのだ。


「あ、でもこの家では変なことはしないでね?」


夢ちゃんのその言葉に、私と空は苦笑いするしかなかった。
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