桜が咲く頃に、私は
「……お兄ちゃん、こうやって夜空を見てたよね。お姉ちゃんがいつも、お兄ちゃんのところに行ってたの、知ってたんだ。あ、でも安心してね。何を話してるかは聞かないように、耳栓してたから」
今となっては、何を話していたか知られても構わないけど、妹としてはやっぱり嫌かな。
自分のお兄さんが愛を囁いているのは。
それだけじゃなく、一度死んでるって話もしていたし、今思えばかなり聞かれたらまずい話をしていたもんだよ。
「お兄ちゃん……もしかして自分が死ぬ日がわかってたのかな。おじさんから色々聞いててね。なんか、死ぬ為の準備をしていたみたいだって。でも、自殺じゃなかったんだよ」
「夢ちゃん?」
「病気でもなかったし、でもお兄ちゃんは死んだの! 私の為に生命保険も入ってて! それで……誕生日にあんな物を……やっぱりダメだよ、お姉ちゃん」
ボロボロと大粒の涙が夢ちゃんの目からこぼれた。
「自分で命を投げ出したら、お兄ちゃんは絶対に許してくれないよ! それで会えたとしても、お兄ちゃんは絶対に喜んでくれない! 死んじゃダメなんだよ、私達は!」
「夢ちゃん……ごめんね。私、ダメな選択をしたんだね」
泣きじゃくる夢ちゃんを抱き締めて、自身の選択を後悔しながら私も涙を流した。
空が望んでいたことと、真逆のことをしようとしていた愚かさに、心底自分が嫌になる。
今となっては、何を話していたか知られても構わないけど、妹としてはやっぱり嫌かな。
自分のお兄さんが愛を囁いているのは。
それだけじゃなく、一度死んでるって話もしていたし、今思えばかなり聞かれたらまずい話をしていたもんだよ。
「お兄ちゃん……もしかして自分が死ぬ日がわかってたのかな。おじさんから色々聞いててね。なんか、死ぬ為の準備をしていたみたいだって。でも、自殺じゃなかったんだよ」
「夢ちゃん?」
「病気でもなかったし、でもお兄ちゃんは死んだの! 私の為に生命保険も入ってて! それで……誕生日にあんな物を……やっぱりダメだよ、お姉ちゃん」
ボロボロと大粒の涙が夢ちゃんの目からこぼれた。
「自分で命を投げ出したら、お兄ちゃんは絶対に許してくれないよ! それで会えたとしても、お兄ちゃんは絶対に喜んでくれない! 死んじゃダメなんだよ、私達は!」
「夢ちゃん……ごめんね。私、ダメな選択をしたんだね」
泣きじゃくる夢ちゃんを抱き締めて、自身の選択を後悔しながら私も涙を流した。
空が望んでいたことと、真逆のことをしようとしていた愚かさに、心底自分が嫌になる。