桜が咲く頃に、私は
返ってきた言葉は、予想外……とは思わないかな。


お父さんと話をしていなかったら、この言葉にショックを受けていたかもしれないけど、連絡が取れるのに一年間何も連絡して来なかったような人だ。


「うへぇ……マジかよ」


翠もまさかの第一声に呆れたようで、顔を引きつらせてお母さんを見ていた。


「それ、どういう意味? 私がいつ、お母さんの人生を壊したっていうの?」


「あんたを妊娠した時からだよ! 私は母親になんてなりたくなかったのに、あんたがいたから嫌だけど結婚したんだよ! 私より先に、あのクソ男と話をしたんでしょ? 電話が掛かってきたわよ。子供を放って何をしてんだってね」


今までのお母さんは、私の前では一応母親の顔はしていたけど……私に言っていた嘘がバレて、母親の仮面を取ったんだ。


もう、私には目の前にいるのが誰かわからなくなっていた。


「私はね、母親である前に女なの。というか、母親をやってた時もずっと女だったんだよ。つまらない男と、言うことを聞かない何を考えてるかわからない子供と一緒に暮らすなんて地獄を味わい続けたんだよ! やっと自由になった私の生活を、また壊しにやって来たんでしょあんたは!」
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