桜が咲く頃に、私は
二階に上がってすぐに私の部屋があるけど……なぜかドアが少し開いていて。


私が家出をした時に閉めないまま、一年間そのままだったのかな……なんて、感傷に浸りながらゆっくりと部屋を開けると。


「!? な、何よあんた！ ノックくらいしなさいよ！」


私のベッドで寝ている、お母さんとチャラい男の姿がそこにあったのだ。


あまりに意味不明な光景に、私も翠も固まってその場に立ち尽くすことしか出来なかった。


「ん？ お！ 娘ちゃんじゃないの！ ずっとまた会いたいって思ってたんだよね。いやあ、本当に可愛いな。どうよ、娘ちゃんも一緒に！」


チャラい男が、嬉しそうに身体を起こして私に手招きをするけど……どんな地獄だよこれ。


「いや……人の部屋で何してんだよあんたら。この前言えなかったことを、どうしても言いたくて来たら……」


「いやあ、どうしても娘ちゃんを忘れられなくてさ。で、娘ちゃんの匂いに包まれてプレイしたかったわけ。そしたら来てくれるんだもんな。いやあ、なんでもやってみるもんだよ」


私は一体なんという生物と話をしているのだろうか。


私の思考回路では、こいつらの考えに至る答えを導き出せないでいた。
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