桜が咲く頃に、私は
不思議だな。
今日で終わってしまうとわかると、目に映る全てが新鮮に、眩しく思える。
何もないと嘆いていた日々すらも、この気持ちに辿り着くには必要だったのかもしれない。
勉強が苦手で、何を言っているかもわからない先生の授業も、しっかり聞いてみればそれぞれの特徴ある話し方で面白い。
これにもっと早く気付いていたら、勉強が好きになっていたのかななんて、今更どうにもならないことを考えてる。
ああ、時間が経つのが早い。
始まってしまえばすぐ終わる……。
私に与えられた半年の余命も、もう終わろうとしている。
昼休みになり、パンと飲み物を買って屋上へと向かう。
今日で見納めだから、もう一度見ておきたくて。
翠と二人で屋上に出ると日が出ていて、寒くはあったものの心地の良い天気だった。
「それで。どうだった? 生き返ってからの人生は。たった四ヶ月だったけど、満足だった?」
今日翠も私に合わせたのか、お弁当ではなくてパンで。
それをかじりって柵にもたれ、屋上からの景色を見ながら尋ねた。
「そうだね。死ぬ前の私じゃ、一生掛かっても経験出来ないことをしたかな。そういう点では満足。でもね、まだ出来てないことがあるんだ」
今日で終わってしまうとわかると、目に映る全てが新鮮に、眩しく思える。
何もないと嘆いていた日々すらも、この気持ちに辿り着くには必要だったのかもしれない。
勉強が苦手で、何を言っているかもわからない先生の授業も、しっかり聞いてみればそれぞれの特徴ある話し方で面白い。
これにもっと早く気付いていたら、勉強が好きになっていたのかななんて、今更どうにもならないことを考えてる。
ああ、時間が経つのが早い。
始まってしまえばすぐ終わる……。
私に与えられた半年の余命も、もう終わろうとしている。
昼休みになり、パンと飲み物を買って屋上へと向かう。
今日で見納めだから、もう一度見ておきたくて。
翠と二人で屋上に出ると日が出ていて、寒くはあったものの心地の良い天気だった。
「それで。どうだった? 生き返ってからの人生は。たった四ヶ月だったけど、満足だった?」
今日翠も私に合わせたのか、お弁当ではなくてパンで。
それをかじりって柵にもたれ、屋上からの景色を見ながら尋ねた。
「そうだね。死ぬ前の私じゃ、一生掛かっても経験出来ないことをしたかな。そういう点では満足。でもね、まだ出来てないことがあるんだ」