桜が咲く頃に、私は
それから、手紙を書き終わって夕飯になった。


今日の献立は、私のリクエストでハンバーグとマカロニサラダ。


それが並んだテーブルを囲って三人で手を合わせて食べ始める。


「早春、本当にこんな普通のメニューで良かったわけ? もっと私の腕を信じてくれても良いのに」


そう言いつつも、翠は料理の出来に満足そうだ。


「これがいいんだよ。だってこのメニューはさ、私が初めて夢ちゃんに教えてもらったもので、翠も初めて教えてもらったものだから。だから、大切なメニューなんだよ」


喋りながらも料理を口に運んで、じっくり味わうけど、やっぱり夢ちゃんが作ってるだけあって美味しい。


「……明日からもいっぱい教えるし、一緒に新しいメニューを覚えようね。私だってまだまだ勉強中なんだから。お姉ちゃんも翠さんも、覚えることは沢山あるよ!」


夢ちゃんは何があっても、私の命が今日尽きてしまうと信じたくないみたいだ。


それならそれでいい。


いつも通りの生活が送れるから。


笑顔の絶えない食卓だった。


今はもういなくなったけど、私にはいつも空が一緒にいたような気がしていたよ。


私達の中にいる空が、そう感じさせていたのかな。
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