桜が咲く頃に、私は
空がお風呂から上がり、夢ちゃんが洗濯機を回す。
脱水まで終わって洗濯物を部屋に干して、そこから夢ちゃんの宿題が始まる。
「早春さんは先に寝ててください」
隣の部屋で寝ている空はもう寝息が聞こえていて、夢ちゃんに家事を全部させて自分は寝るのかよと呆れた。
「あいつ、家事なにもしねーのな。夢ちゃん、怒った方がいいよ」
まあ、泊めてもらっておいて皿洗いくらいしか手伝ってない私が言うことじゃないと思うけどさ。
「いいんです。お母さんが死んだ時、私と一緒に暮らすって言ってくれたから。だから、お兄ちゃんが苦労しないように、私が頑張ろうって決めたんです」
カリカリと、ペンを走らせる音を止めずに、夢ちゃんは嬉しそうに話している。
並べた布団の中で、私はその小さな背中を眺めて自分のことを考える。
私にもこんな妹がいたら、今とは違った生き方になっていたのかな。
なんてね。
「偉いね。夢ちゃんは」
「そんなこと……ないですよ。さて、宿題も片付いたから、私も寝ようかな」
大きく伸びをして、机の照明を消すと、隣に敷いてある布団ではなく、私の布団に潜り込んで来たのだ。
脱水まで終わって洗濯物を部屋に干して、そこから夢ちゃんの宿題が始まる。
「早春さんは先に寝ててください」
隣の部屋で寝ている空はもう寝息が聞こえていて、夢ちゃんに家事を全部させて自分は寝るのかよと呆れた。
「あいつ、家事なにもしねーのな。夢ちゃん、怒った方がいいよ」
まあ、泊めてもらっておいて皿洗いくらいしか手伝ってない私が言うことじゃないと思うけどさ。
「いいんです。お母さんが死んだ時、私と一緒に暮らすって言ってくれたから。だから、お兄ちゃんが苦労しないように、私が頑張ろうって決めたんです」
カリカリと、ペンを走らせる音を止めずに、夢ちゃんは嬉しそうに話している。
並べた布団の中で、私はその小さな背中を眺めて自分のことを考える。
私にもこんな妹がいたら、今とは違った生き方になっていたのかな。
なんてね。
「偉いね。夢ちゃんは」
「そんなこと……ないですよ。さて、宿題も片付いたから、私も寝ようかな」
大きく伸びをして、机の照明を消すと、隣に敷いてある布団ではなく、私の布団に潜り込んで来たのだ。