幼なじみと契約結婚しましたが、いつの間にか溺愛婚になっています。
【第1章】再会と契約
ベッドに押し倒されて、激しく動揺した。
さっき私を引き寄せて抱きしめた手は、その力を緩めないままに、私の肩をマットレスに押さえつけている。
見下ろす目は熱を帯びていて──見間違えようもなく、情欲が浮かんでいる。一度も目にしたことのない「男」の顔をしていた。
鼓動の響きと音がうるさい。まるで耳元に心臓が移動したかのようだ。
「……ちょ、っと。何もしないって約束」
「ごめん、無理」
短く言い捨てた後、顔が近づいてくる。
重なった唇は柔らかくて、熱かった。濡れた舌先でなめられて、思わず唇を開くと、隙間からすかさず入り込んでくる。厚みのある舌が、前歯を、歯茎をねっとりとなぞっていく。
「ん、……ふ、ぅ」
慣れない感触に苦しくなって、声が漏れる。その声に煽られたように、舌の動きが大胆になって、口内を蹂躙する。
のしかかる体は思った以上に大きくて重くて、体をよじってもまったく抜け出せない。それどころか、動くたびにますます、押さえつけられる力が強まるようだった。
これから起こることを想像して、体の奥から震えが起こり、止められなかった。
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