幼なじみと契約結婚しましたが、いつの間にか溺愛婚になっています。

 そう言って笑った顔が、ものすごく男っぽくて、こんな状況なのに見惚れる。

 もう一度、彼の唇が私の唇に軽く触れる。短いキスを繰り返す昂士くんの手が、ブラウスの布地をかき分け、下着の上から胸を包み込んだ。
 優しく撫でられる動きに、背中をさわさわと何かが這い上がってくる。

「……は……っ」

 ため息とともに出した声が、自分でも思いがけないほどに甘い。

「可愛い……」

 感に堪えぬといったふうの、彼のつぶやきが耳に届く。

「怖くない?」

「……ちょっとだけ、怖い」

「できるだけ、優しくするから。なるべく痛くないように、努力する」

 この上なく真剣に昂士くんが言う。抱きしめられる力の強さと優しい声に、私は身をゆだねた。


「あ、あっ……ああっ」

 覚悟していても、体の奥を暴かれる時は、やっぱり痛かった。

「ごめん、もう少しだから」

「っ、う……は、ぁぁ……っ」

「入ったよ、全部」

 体の中に、自分以外のモノが入っている。初めて味わう感覚は、圧迫感が強くて少し苦しかった。

「気持ちいい、佐奈子の中」

「……そう、なの?」

「佐奈子にも、気持ちよくなってほしい」

 彼が、私の中で動き始める。内側を繰り返し擦られる感触で、次第に、未知の感覚が呼び覚まされていく。
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