幼なじみと契約結婚しましたが、いつの間にか溺愛婚になっています。
月日はさらに経ち、3月が近くなった2月下旬のある日。
その朝は、家には私ひとりだった。昂士くんは昨日から九州へ出張に行っている。
ここ半月ぐらいずっと、寝覚めが良くない。熟睡した気がしないのだ。
昂士くんとの行為があった夜は睡眠時間自体が短いから、そのせいだと思っていたけど、昨夜は早めに寝入ったから充分眠っているはず。それなのに。
……先生と、中邑さんが現場にいることで、やたら気疲れしているからかな。
うん、きっとそうだ。
こちらに来た頃は適度な距離感を保っていた二人は、近頃では、密着しかねないほどに物理的な距離が近い。さらには、中邑さんが工務店の職人さんと少しでも話していると、先生はやや度が過ぎるくらいに機嫌を悪くしている。
山根沢氏が現場に来ている時はさすがに遠慮しているようだが、棟梁や職人さんたちには気づかれているんじゃないだろうか。
なんだか、そろそろ本当に一波乱起きそうで、不安だ。
そんなことを考えながら身支度をしていると、喉元に吐き気が込み上げてきた。
あまりの急激な勢いに、急いでお手洗いに駆け込む。何とか間に合ったが、原因に心当たりがなくて戸惑った──だがふと、あることに気づく。
……この前、生理って、いつ来たっけ?