夢ひととき
七つになったこの冬。吹雪の舞う雪景色の中に私は放り
出された。冬は特に食料が不足する。働いているとはい
え、食料を減らす私は家族にとって邪魔な存在でしかな
かったのだ。
寒い。
ただひたすらに足を動かしてはいるものの感覚はない。
指先が悴んで針を刺すように痛んだ。吸った呼吸で鼻が
凍るように冷たい。耳が冷えて、頭がガンガンする。
寒い。寒い。
意識が朦朧としてくる。もう自分がどうやって体を動か
しているのかさえ分からなくなった。
寒い。体が。
寒い。心が。