城東だ、その子に手を出すな!
始まりは私の中で突然やってきた。
城東くん。私は彼をまだ"彼"だと思えない。
そろそろ終わり、風の噂が言っていた。

2週間前、突然告白された。きっと勢いで告白してきた城東君。今日はもう城東君も別れを考えていたのかな。

足取りが重い。私も自然と俯いてしまう。


「帰ろっか」「……うん。」

あ、待って、城東君。そっちは掃除中で滑りやすくなってるってさっき風の噂で聞いた。

危ない!咄嗟に手が出て、だけど、申し訳なさで袖だけを引っ張る。驚いて振り向く城東君はほおを赤く染めていた。目が潤んでる。どこにそんな感動させることがあっただろうか。


「ありがとう、俺ドジだから。」


あなたがドジなら私は何?

私とあなたのレベルの違いは、この学校中の女子が知ってるよ。だから私は肩身の狭い思いを、、、


「さっきのミクかっこよかったよ。」
そっぽを向いてぼそっと言われたから確信はないけれど、城東君が初めて私の名前を呼んだ。

絶対に目を合わせてくれなくて顔は見えなかったけどもしかして照れてる?

もしかして本当に素敵なのは君なのかもしれない。初めてそう思った。それは内緒。
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