星の降る夜

「何してんの。」

「…星、見てたんだよ。」


そう言った彼女が空を見上げるのにつられて、ゆっくりと上に目をやる。

冬の澄んだ空気は、星の灯りを曇らせることなく地上に降らせていた。


「……綺麗だな。」

「でしょ?」


でも、

「嘘。」

「うん、嘘。…ほんとは待ってた。」

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