星の降る夜

回した腕に力を込めて、咲の体を塀の上から下ろす。
膝が邪魔をして近づけなかった距離もなくなり、全身で彼女に触れた。



「…おかえり。」


「……ただいま。」





いつもより冷たい唇は、冬の匂いがした。











Fin.

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