俺にしときませんか、先輩。

そんな先輩の話を聞きながら、もうすぐで家に着いてしまうと、焦りが顔を出して。



「先輩って今、彼氏とかいますか?」


つい、聞いてしまった。



とくに驚く様子もなく、淡々と今はいないよーと答えてもらった時、どれだけ嬉しかったか、先輩は知らない。


いつものようにけーすけと大雅に相談すると、チャンスだぞと背中を押されて、俺はその日の夜、告白することを決めた。



翌朝、早めに行った学校。



【先輩のことが好きです。
直接話したいので、放課後、校門の前で待ってます】



先輩の下駄箱に、俺なりに考えた手紙を入れた。



「今時ラブレターなんて、初々しいなー」

「うるさい」


からかってくるけーすけを軽く睨んで。


「名前書かなくてよかったのか?」

「うん」


一緒に下駄箱の場所を探してくれた大雅に頷く。



あとは先輩が見てくれたら…。
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