俺にしときませんか、先輩。
「景品準備してほぼ終わり、もう。サナちゃんのとこみたいに特別っぽいのしたかったな」
「来てね、お化け屋敷。あ、新谷くんと来ればちょうどいいじゃない」
「え!……お化けは苦手だけど、たしかに新谷くんとなら…」
私の提案に真剣に悩みだす沙葉を見て笑う。
そもそもお昼は新谷くんに譲っているのにこうして私が沙葉と食べているのは、今日は新谷くんが休みだからだ。
夏風邪を引いてしまったらしい。
その前に今日様子見に行かなきゃ、と心配している沙葉は口では滅多に言わないものの、相変わらず新谷くんが大好きだ。
「あれ、由都だ」
「え?」
ふと窓の向こうに視線を走らせた沙葉。
それを追うように私も同じ方向を見れば、由都と水戸さんがふたり並んで歩いていた。
「あの子、てっきり由都の彼女になるかもと思ってたのに、ちがうみたい」
「え?」