俺にしときませんか、先輩。
「新谷くん…っ、!?」
「お昼、俺との約束でしょ」
背後から現れたことに肩がくいっと上がるほど反応した沙葉を見ていた私だけど、新谷くんの言葉に一部分、ひっかかりを覚える。
「どういうこと?沙葉」
てっきり、私と食べたいから誘ってくれたんだと思ってたのに。
「はは、ははは……すみません」
「もう」
ま、申し訳なさそうに頭をひょいっと下げる沙葉の可愛さに免じて、許してあげよう。
「女の子からの告白はお済みですか」
今度はふくれた顔を新谷くんに向ける沙葉。
そんな彼女を見て小さくため息を吐く新谷くん。
「お済みだわ、あほ。
やきもちは大歓迎だけど、そーいうカオは俺の前だけにしろっつーの」
うっ…と言葉を詰まらせる沙葉を見て、私は言ってやった。
「あんたたち、惚気るなら、とっとと他に行きなさい」