俺にしときませんか、先輩。
小馬鹿にしたような態度で私の真似をして、それを見て笑ってる。
彼女たちの本心を知った時、自分のバカさを知った。
優しいものに取り囲まれていたと思っていたのはすべて見せかけで、実際に周りを見渡せば、嘲笑う集団がいただけ。
静かに立ち去って涙が乾ききるまでわんわん泣いた私は、その日から人を見る目が養われていった。
とくに責めることもしなかった。
表面上だけ仲良くすればいい。どうせ数年後には他人なんだから。
おかげで自分可愛さに心配してくる彼女たちの目と、本気で心配してくれる沙葉の目がちがうことにも気づけた。
ふたりの言うとおり、すぐに新しい彼氏ができる私。
うまくいかないと知りながらも誰かと付き合っていたかったのは、幸せそうなカップルにどこかで憧れていたんだと思う。
そして、今、こうして3回目の浮気がばれてしまった。