俺にしときませんか、先輩。
「憂鬱な時はやっぱり氷系のアイスじゃないですか?」
「……なんで知ってんのよ」
「…ま、前に、先輩が言ってました」
「そうだっけ」
「そうです、もうずっと前ですから記憶にないかもしれませんけど」
そう言って頬をかいた由都が、また私の指先を繋いでコンビニまで引いて歩く。
カゴに入れられていく商品はまるで自分が選んだかのように好みのもので笑ってしまった。
…由都ってナニモノ?なんて思ったりもして。まぁ、単に、私と好みが似ているだけなんだろうけど。
「どうぞ、先輩」
夏休み前の予行デートでも少しだけ寄ったことのある公園のベンチに座る。
スプーンの袋まで開けてくれた由都から受け取ったレモン味のアイス。
ひと口含むとガリッという爽快な食感が広がって、甘酸っぱさが舌を伝う。
「…ありがとう、由都。
由都が来てくれて助かった」
半分くらい無心で食べていた最中、急に言いたくなって口を開いた。