俺にしときませんか、先輩。

対応に追われながら40分ほど。

隅でひと息ついていると、ちょうど手が空いた大雅もこっちに来た。


「接客って思ったより大変だな」

「そうだね」


顔を見合わせて笑う。

普段受ける側だから気に留めたこともなかったけど、自分がやるとなると結構大変だった。

お客さんは次々と入ってくるし、どのテーブル席からの注文だったか時々飛んでしまうし。



「けーすけは?」


見当たらない姿を探すと、大雅があっち、と親指を奥に向ける。


「注文間違えまくって、裏で女子に説教食らってる」

「はは」


けーすけらしい。

あいつは笑顔で対応とかはできても、覚えるのは苦手だからなぁ。

それでも、前半のけーすけの誘導で客足はどんどん増えていったから、接客は向いてる方なんだろう。
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