俺にしときませんか、先輩。
美味しそうな匂いが鼻をくぐって、待ち侘びている足を踏み鳴らす。
「沙葉も持って」
「はーい」
やっと順番が来て受け取った唐揚げとポテトは朝からなにも口にしていなかった私のお腹に喜びをくれた。
「はー、美味しかった。ねぇ、次はワッフルのとこ並ぼう!」
「サナちゃん、まだ食べるの?」
「当たり前よ。沙葉はもうお腹いっぱいなの?」
結構ね、と答える横で新谷くんも同意らしく、俺もと言われる。
そうだ、沙葉たちはこの前にも食べてるんだ。
そっか、じゃあ私ひとりで行ってこよう。
「沙葉たちはふたりで楽しんで、私、ワッフルのとこ行ってくるねー」
「え、サナちゃんも一緒に周ろうよ」
「いいのいいの、恋人同士で周って。私はたらふく食べて好きに過ごすから」
じゃねーと言って手を振る。
ナイスと親指をひょっこりさせる新谷くんと、また後でねーと大きく手を振りかえしてくれる沙葉を見て笑った。