俺にしときませんか、先輩。



ワッフルにフランクフルトにチョコバナナ、最後に匂いに誘われてたこ焼きを食べて満足した私は、教室の様子を見に行こうと足を運んだ。


お化け屋敷、盛り上がってるかな。

最初の勢いはまあまあ良かったから、そのまま人がたくさん入ってるといいんだけど。


見えてきた暗い雰囲気の教室。

その前に見知った人物がいて、思わず足を止めた。



「…由都?」


小さく呟いた声をどうやって拾ったのか、視線がばっと反応する。

こっちに駆け寄ってくる由都の後ろには、いつも一緒にいる茶髪の畑宮くんもいた。



「先輩、どこにいたんですか?」

「どこって、屋台周ってたけど」

「あー、約束でもしとけば良かった…」



意味不明なことをもごもごと言った由都が急にしゃがみこむ。


なんで、由都がここに?

私に会いに?………なんてね。
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